ほうぷ

hope って発音してみるとすごくパワフルな言葉だね。
日本語で希望って言うよりは、なんだか意味が強いみたいだな。


音楽が、エンターティメントとしては、新鮮みが無くなってるから、
聴く側も、アーティストに求めるものが薄くなってるよね。
即効性があって、時代を逸脱していないものでなければ、
生活のBGMとして成立しないからだろう。
その分、人間力みたいなものが問われているみたいだ。
人としての力が強いものが、ポップだと感じる事が多い。


去年のベストレコードは、
アークティックモンキーズとネリーファータードだった。
どちらも、手作り「人力グルーヴ」がキーポイントだ。
気持ちのいいグルーヴがどう作られてるかなんて、考えて聴いてる人は少ないと思うけど、
そこが、凄く大事なところだと思う。
ネリーは更に音楽的アイディアでも冒険してる。
従来のファンにはずいぶん叩かれたらしい。
が、UKでもUSでも大ヒットを記録してる。
シングルの出し方がUKとUSで違うのがA&R的にも面白かった。
やっぱりUKじゃマンイーターで攻めてた(笑)。


グルーヴなんて、今、自分が仕事の上でポップであろうとする事とはかけ離れてるパラメーターだ。
日本はホント独特の流れが出来てる。
ネットの世界も、ポップミュージックの世界も。


ユーザーとレーベルは即効性を求めるが、
アーティストの人生に即効性などというものは皆無だ。
みんなの耳に触れるまでに、
アーティストはそれぞれ自分の人生を歩んできてる。
そして、ユーザーやマーケットが忘れ去った後も、
彼らは自分の人生を歩んでいかなければならない。
みんなの耳に触れる事が出来るのは、彼らの人生のほんの一部分でしかない。
ヒットを続けているアーティストだって、
その全盛期は長くて10年だろう。
僕は、
アーティストの変化や成長も含めて楽しむ。
こんな仕事をしているから、そうなったのではなくて、
リスナーとして、そういうふうに音楽と関わってきたから、
それが仕事になってしまったのだけれど。


マーケットでは同じ事を続けていれば飽きられる。
変化が激し過ぎれば、裏切り者だと叩かれる。


成長する事 ≒ 変化する事を放棄してしまったアーティストとは関わらない。
アーティストが成長しようとする姿は輝いている。
年齢は関係ない。
成長し続けようとする人の側にいる事に、音楽ファンとしての意義がある。
その成長のカーヴがある時マーケットと交わる、
その時に居合わせる事が出来たら、すごいよね。
そんなふうに音楽を聴こうとする人達が俺の仲間っすね。
(くま)