タイトルマッチ

川嶋が負けてしまった。
でも、なんとなく予感はあったんだ。
ちゅうか、俺ボクシング界についてはまったくの素人で、
ただのファンでしかないんで、
いちウォッチャーとして。
最近、川嶋(知り合いじゃないんで、敬称略っす)は、
なんだか覇気が無い感じなんだ。
徳山をKOしてチャンピオンになった試合の前は、
力がみなぎってて、
自分でも自分を制御しきれてないような、
どんどん育っていく自分を、自分が驚いてるような、
なんか観ててスリリングだった。
あの時に、ある種燃え尽きたんだと思う。
もともとうまい選手じゃないし、
徳山や長谷川みたいな天才型ではないのは、誰が見ても明らかだもんね。
それでも、俺がここのところボクシングを観るようになるきっかけは、
この川嶋選手がつくったんだ。
あ、あと畑山の解説ね(笑)。
畑山によると、
パンチは強く当たってもKO出来ないんだって。
で、川嶋のパンチは、その強くてKO出来ないパンチの典型なんだよね。
それでも、ぶんぶん振り回していくそのスタイルは、
無理がある。
だから、川嶋がチャンピオンになるなんて誰も思ってなかったらしいよ。
その川嶋が、周囲の期待を裏切って(笑)、
チャンピオンに昇り詰めるそのストーリーは、
俺にはかなりぐっと来たし、
試合は常にスリリングだった。
それが、チャンピオンになったとたんに、
周りのテンションだけが上がってて、
川嶋本人は苦笑いしてる。
川嶋は、キッドでもないし、桜庭でもないのにね。
まるで、ジョンレノンを見てるみたいな気分。
川嶋にダブルファンタジーがあるかどうかは俺にはわからないけど、
川嶋のすごい試合をもう1度観てみたい。


しかし、スポーツ選手の奥さんってのは、ねぇ。
野村とか、落合とか、明らかに奥さんが才能をプッシュしてるよね。
あげまんっていっちゃぁなんだけど、
理想のカップルでしょ?
ダンナの潜在能力を引き出すのは、
かみさんの力だよね。
逆に、才能を殺しちゃうのも、ねぇ?
(くま)